着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(20) チマちゃんの和箪笥

そろそろ単衣から夏物、浴衣の季節ですね。

チマちゃんの和箪笥 (マーガレットコミックス)

チマちゃんの和箪笥 (マーガレットコミックス)

2012年12月 集英社発行

 

さて、すみませんまた漫画…こちら、マーガレットコミックスですがココハナレーベルです。cocohanaってなんだっけ、あ、旧コーラスです。

一巻で完結。たった一巻なのに、恋愛あり、友情あり、お仕事あり、家族や部活、毎日お散歩させるペットの犬のかわゆらしさまで盛りだくさんです。盛りだくさんすぎて話は正直ぼんやりしちゃっている気もしますが、そこは大事なところではない。この漫画のフォーカス先はキモノ!キモノです!

主人公は東北の小さな城下町で「千麻や」という着物の小さな個人商店を営み、アンティークや作家の反物を売ったり、着付けを教えている女性。年齢ははっきりあかされませんが、30歳前後。アラサー、ココハナですしね。お店の名前、「千麻や」はいかにも「チマさんのお店」って感じですが、主人公の本当のお名前は「チマ」ではありません。朝子さん(本名)は、自分の中の小さな子供、着物を着たがっている童のささやきに導かれて、着付けを教えている大学サークルに足を踏み入れ、そしていつしかその子供につけられた名前、「チマ」として、自分で和のお店を開くまでになるのです。

佐野未央子さんはよく存知あげませんが、着つけを学ばれた、というのが巻末コメントに描いてあります。

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こちら公式webからの借り物のヒトコマですが、キレイで丁寧な着姿の絵!一つ前の記事で、峯村良子さんの絵について、現代にここまで描ける方がいるかな?とか書いちゃっていましたが、全然いました…すみません。柄ゆきも丁寧に描いてあり、きもの好きの方ならどこまでもほっこりできます。千麻やさんのようなお店が町にあって、ちょくちょく通えたらなんてステキなことでしょう。

さて、「チマ」は朝子さんの心の中の小さな童で、大学のサークルではそれぞれに童に命名がされており、その名前で呼び合う、という設定があります。童は誰の心にもきっと住んでいて、その声が聞こえるか、育てられるかで人はきものに目覚めていくんでしょうね。ステキな考え方だと思います。ということは、それって童というよりは日本人のDNA、和の心そのものなのかもっ?って思いますが、いかがでしょう♪