着物の本(21) きものSalon 2014年春夏号
さてさて。雑誌ものはできれば発行直後あたりにご紹介したいものですが・・・
2014/2/20発売、世界文化社
図書館で借りてきました。着物2大雑誌とは、こちらと
美しいキモノ(季刊)
になると思います。どちらも、伝統のある老舗やお高いフォーマルを中心に紹介している豪華雑誌というイメージ。「家庭画報」の別冊ムックとして出ます。ちなみに「美キモ」と比較していきますと、こちらは「婦人画報」のサブ雑誌扱い。主媒体の家庭画報と婦人画報を比較してみると、家庭画報のほうが発行部数が1.5倍くらいありますね。歴史が長いので、ずっと定期購読しつづけている方も多いのかもしれません。
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
---|---|---|
婦人画報 | ハースト婦人画報社 | 92,425 |
pumpkin | 潮出版社 | 176,567 |
和樂 | 小学館 | 46,667 |
家庭画報 | 世界文化社 | 147,163 |
ミセス | 文化出版局 | 79,667 |
クロワッサン | マガジンハウス | 237,750 |
GOLD | 世界文化社 | 82,667 |
しかし、それぞれのきもの専門雑誌のほうを比較してみると…きものSalonは56000部、美しいキモノは11万部です(それぞれの広告主向け媒体資料より)。母体とは逆に、ほぼ2倍の開きがあることになります。さらにきものSalonは年2回なのに対して美しいキモノのほうは年4回ですから、年間で4倍は流通量が違うことになり、ネームバリューとしては美しいキモノのほうがずっと大きい。ということになりますね。ちなみに七緒は年4回の34000部です。
さて、雑誌の内容は…
木村佳乃さんの春ものグラビアにはじまり、石田ひかりさんではじまる京都の染め物特集、桜の季節のお茶会、色無地感覚の付け下げ、とやわらかものが続きます。が、それだけでなくて上布、草木染め紬、単衣のカジュアル外出用などの記事もあり、夏下着特集、森田空美さんの二重太鼓の結び方、など、思ったよりも実際的な記事が多かったです。
個人的には染織作家の村上良子さんの記事と作品がとても美しく感動しました。
巻末には通巻100号イベント、サロンドオペラの会の記事報告。参加された43名の読者の着姿が載ってます。こちらのお知らせによれば50名募集、こちらのきものカンタービレさんの記事だと4倍の応募、ってことだったから200名が応募ってことになりますが、これって発行部数に対して多いのかな、すくないのかなぁ。…有料、かつ結構長丁場なイベントなせいもあるかもしれませんが、読者層はどのあたりなのか気になりますね。