着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(31) 七緒 vol.39 2014年秋号

「美しいきもの」と「きものSalon」を紹介しておいて、なんとなくこちらを紹介しないのは落ち着きません。

 

七緒 vol.39―着物からはじまる暮らし 特集:「好きです。きもの」「“変身

七緒 vol.39―着物からはじまる暮らし 特集:「好きです。きもの」「“変身"コーディネート計画」(プレジデントムック)

2014年9月発行

 

季刊の雑誌のように見えますが、年4回発行のムックです。ムック=定期発売日が決まっておらず、ISBN流通なのでバックナンバー取り寄せが比較的簡単なもの、という感じでしょうか。

表紙は林田岬優(はやしだみゆ)さん。弱冠20歳!細くって顔もちっちゃい〜!女優のど迫力で魅せていた例の2誌の表紙にくらべて、なんてほっこりした素朴感でしょう…着物はこの表紙のwabitas小紋以外にも巻頭特集で2種類のリサイクルの紬を着こなし、普段着としての可愛い着物を紹介しています。ところで、表紙デザインが今回からリニューアルされてますね。前々号と前号はこんな感じでしたが↓

 

七緒 vol.37―着物からはじまる暮らし 特集:「紬」の学校。/ホップ、ステップ長じゅばん (プレジデントムック)七緒 vol.38―着物からはじまる暮らし 特集:ころもがえ練習帖/「ゆかたデビュー」10のヒント (プレジデントムック)

タイトルのフォントも変わっていますね。個人的にはクウネル、もしくはnidに似た感じになったな、と思いました。

 

 

 

七緒 vol.39―着物からはじまる暮らし 特集:「好きです。きもの」「“変身ku:nel (クウネル) 2014年 11月号 [雑誌]nid vol.35―ニッポンのイイトコドリを楽しもう。 (Musashi Mook)

さて、特集は第一が「好きです。きもの」、第二が「変身コーディネイト計画」となっています。

「好きです。きもの」は小説家の大宮エリー西加奈子の対談を中心に、色々な人がそれぞれの着物生活を語るという内容です。小川糸、石井妙子といった作家、三砂ちずるというきものの本を出している学者、浪曲師や帝国ホテルで働く人など仕事着が着物の人、和のギャラリーの店主などなど、生活に着物が入り込んでいる人たちが沢山。一般の人のブログも4つ、1/2ページずつ写真付きで紹介していたり、巻末に今までの10年で登場したきもの熱の人たちの言葉を再録していたり、きもの愛のあふれる内容となっています。

「変身コーディネイト計画」は読者のきもののコーディネイト相談、便利な一品紹介、和のパーソナルカラー診断という内容。便利な一品とは…「幾何学模様の帯」と「市松もしくはドットの帯揚げ」等だそうです。カラー診断は、「美しいきもの」にも色無地のページに4カラーの診断表がありましたが、七緒のそれは「桃色」(要はイエローベース)と「桜色」(要はブルーベース)のどちらが似合うか、という2つの分け方。診断しやすい切り取り付録の工夫が嬉しいです。

その他、街案内や料理のページ、文学の中の着物(これは比較の2誌にも同じものがありますが…)といったミニ記事も色々はさまっています。

 

ページ数だけ見れば、「美しいきもの」の半分以下の126ページではありますが、フォーマルの帯をひたすら紹介するページやら女優フォトは少なく、読めるページが多いです。リサイクル品や小物にいたるまで値段は常に明記してあるのも安心出来ますね。そして、小紋や紬、ふだんに色々と手持ちを組み合わせて着る人ならば、やっぱりこちら「七緒」が断然参考になるなと思いました。

 

三砂ちづる