着物の本(35) 平松昭子の着物事件簿
こんにちは。ひさしぶりのコミックエッセイのご紹介。
2006年3月 宝島社
こちら、前回ご紹介した わたし流 着物のある暮らし - 着物book日記 から興味を持って買ってみました。同じ宝島社から出ている小ぶりな本です。
2006年ですから、8年ほど前になります。キモノブームがあったあたりでしょうか?この頃はまだコミックエッセイという言葉がないようで、「爆笑イラストエッセー」という言葉が帯に見えますね。
妹の結婚式のために(おそらく新宿伊勢丹で)はじめての訪問着を一週間で誂えた話から始まって、銀座のゑり善でのお買い物、着物部結成、「章月会」での舞のお稽古の話、京都へ着物で行った話など、アラサーのおしゃれで華やかな着物生活がカラーで綴られています。木綿やウールといったカジュアルなきものではなく、かなり高級な着物を何気なくおしゃれに着こなして街に出る、という路線のようです。「セミ玄人」という言葉はよく感じが出ていると思います。
着物はイラストで表現されるだけで、写真での紹介は一切ありませんが、それもまた想像力を刺激してくれます。ご本人のお着物も、着物部の二人きりの部員の片方である、ライターの栗原貴子さんのお着物も、空想の12ヶ月コーディネートも、どれも素敵そう。
紹介されている下記の本にもセンスを感じます。「連舞」、読んでみたくなりました。
なお、着物部の栗原貴子さんのページを見ると、InRedで2006年から3ヶ月間、「おしゃれ着物道」を連載した、とあり、なるほどそういうつながりがあるのね、と、ひとしきり納得です。 わたし流 着物のある暮らし のコラムで、InRedの昔のムックから再掲載されたページがあるのですが、このページに出てくるきもののうち何点かは「ピンクの七宝の袋帯」「松葉の模様の大島紬」など、明らかにこの本に出てくる平松昭子さんの私物なのだと気がつきました。イラストと写真を見比べたい方、是非両方見てみてください。
発行されたのは結構昔ですが、今読んでも十分面白い本でした。