着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(34) わたし流 着物のある暮らし

また間があきました!

本日は出版されたばかりのこちら。

 

InRed&GLOW わたし流 着物のある暮らし (e-MOOK)

 

InRed&GLOW わたし流 着物のある暮らし (e-MOOK)

 宝島社  2014/11/20

 

InRedといえばアラサー、GLOWといえばアラフォー向けの宝島社の女性誌ですが、着物なんて特集していたことあったっけ?という不思議な本です。

111ページの内容のメインは、まず、10人の有名人のわたし流着物コーディネート&私物公開。最近テレビではあまりお見かけしない気のする牧瀬里穂を筆頭に、裏地桂子、平松昭子など、きもの本を出されているような着物業界の有名人が並んでいます。そして最後は石田節子が〆る貫禄。

その後は33人の、もうちょっと一般寄りの方々。といっても、着付け教室の先生や、ポワソンドールのデザイナーさん、マメコロンさんなどのクリエーターといった、全国各地、着物業界では有名人の方がかなり混じっています。それぞれ、スナップ写真と自分流のこだわりや着物の楽しみ方のコメントがのっています。

プロフィールが面白いですね。年齢がしっかり書いてあるケースが多いのにも驚きですが、「着物歴」「一年に着物にかける金額」「所有枚数」「着物を着る頻度」という、きもの雑誌ではまず見ないようなデータでの紹介方法、さすがファッションを紹介する雑誌のムックというところでしょうか。

また、とにかく33人もいると、正統派、可愛い系、アンティーク、現代ポップ、木綿ほっこり普段着、と、バラエティに富んでいるので、初心者の人も「私はこの人の感じが好き!」という方向性を見つけやすそうです。

着姿の一つ一つに、それぞれの個性が溢れていて、見ていて飽きません。ただし、はじめの10人がヘアメイクもついた撮影で素敵なのに比べて、こちらはそれぞれの個人が撮ったスナップのため、人によっては素敵さが伝わりにくいですね…せめてそれぞれ一枚くらいは、ファッション誌の街角スナップみたいにレフ板&一眼レフで撮影してくれてもいいのになぁ。

なお、年間着物にかけている金額ですが、皆さん平均10万-15万前後というところ。みなさんお買い物上手なのかな?なのに、それなのに、続く「衣裳らくや」プレゼンツのため息が出るようなコーディネート紹介はレンタルなのに5万円台中心、と着物業界の不思議を見せつけます。

最後の方にある、「染め物誂えの専門家」という羽渕祐宏さんによる大人女子のためのきもの入門的なページは男性視点のためかアーティストのためか、ちょっと目線が厳しい感じですね。あまりにも簡単な着付け紹介と畳み方のページなんかはむしろ不要な気はしますが、一応お約束。

とにかくメインコンテンツの合計43人が紹介されてるって壮観でした。2014年、「今」のきものが紹介されている一冊ではないかと思います。