着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(26) 着物がくれる とびきりの毎日

こんにちは。とうとう26冊目突入です。100冊までは続けたいと思っているので、四分の一はいきました!

さて今日はこちら。

着物がくれる とびきりの毎日 (知恵の森文庫)

着物がくれる とびきりの毎日 (知恵の森文庫)

2006年12月、光文社知恵の森文庫

きくちいま

 

こちらは2002年11月にリヨン社から出た、きくちいまさんの初の単行本の文庫版です。おそらくカジュアル着物に興味のある方で、きくちいまさんを知らない方のほうが今は少ないのではないでしょうか。

ご本人1973年生まれということですから、20代の若さでこちらの本を出されたことになりますね。

ちなみに1973年生まれといえば、前にご紹介した本の著者の秋月洋子さんや小砂麻美さんもみなさん、同じ年の生まれなんですよね〜。何かあるのかな?

さて、いまホームページを見たら11年の間に合計16冊も本を出されていることになり、1年に1冊以上ということですから、多作ですね。でも、どんな作者であってもデビュー作がその作者をあらわすエッセンスが詰まっている、というのが本の基本です。この後もきっと同じ著者の本を紹介することがあると思いますが、この1冊目からまず紹介したいと思います。

 

こちらは普段着きものの様々な魅力をイラストと文で紹介する本です。自分の持っている着物や帯のこと、おすすめグッズ、チープに用意できる小物など、2ページ見開きでひとテーマ、体裁としては文章が半分、イラストが半分の分量で、色々なパターンでレイアウトされてます。以前に紹介した石橋富士子さんの本に似ています。もっというと、洋服のファッションエッセイでこういう形式の本は、けっこう前からあった気がします。でも何より出色なのは、自分がまずきものライフを楽しんでいて、その楽しさや自分の好きなことをとにかく伝えたい!という気持ちが伝わってくることです。12年後の今では広まっていて、内容としてはすでに当たり前になっているよう気がすることばかりですが、本当にパイオニアだったんだなぁ、と思います。普段の日だけでなく、和装ウェディングなど晴れの日用の情報なんかもあって、若い人には気軽なはじめの一冊としてオススメできる内容です。また、具体的なお店の情報や、色々なものの値段を記していることも多く参考になりますが、文庫版が出てからもだいぶ時間が経っているため、一部には閉店しているお店もありそうです。こういった情報はやっぱり新しい本や雑誌から得た方が良さそうですね。

最後の章は、和のインテリアなど小物など、着物からは少し離れた内容。さらに、文庫本では山形県の庄内エリアへの旅エッセイの書き下ろしが足されており、お得感があります。小さいけれど、カラーイラストはそのままカラーなのも嬉しいです。