着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(25) 洋服感覚で楽しむ コットン、リネン、ウールの着物

本日はこちら。

 

洋服感覚で楽しむ コットン、リネン、ウールの着物

洋服感覚で楽しむ コットン、リネン、ウールの着物

河出書房新社 2009/11発売

 

単行本サイズのこぶりな本です。小砂麻美(コスナアサミ)さんという松江出身のデザイナーの方が著者となりますが、「さく研究所 もしくは 呉服屋さん.com(居内商店)」の本と言ったほうが、2014年の今ではお名前が通っているのではないかと思います。ナチュラルで素朴だけど可愛らしい雰囲気のお着物。そんな着物が、レースの衿や大ぶりのネックレス、帽子といった和服とは珍しい組み合わせの小物と共に、沢山紹介されています。着物だけではなく、陶器を始めとして沢山の小物や、デザートレシピ、簡単なソーイング、など、作者の「好き」が詰め込まれた一冊です。

いまのさく研究所さんのページにはプリントものも多くありますが、この本では、どちらかというと無地や洋服の生地をいかしたストライプやチェックが中心です。色のベースは生成、黒、白の3色。ただし、生成りはベージュのような濃さのものもあり。もちろん赤や青を多く使うコーディネートもあり、とバラエティに富んでいます。色だけでなく、簡単にチェックといってもギンガムチェックマドラスチェックがある一方で、和の伝統的な伊勢木綿の格子を紹介していたり、とらわれない布の使い方には感心させられます。ただ、こんな静かな色合いで、綿、麻、ウールといった光沢の無い着物でも小物で可愛い感じに出来るのはアラサーくらいまでかなー?という気はいたします。それ以上だと、ひたすら地味になることを覚悟せねばならないでしょう。

船場センタービルの中で撮影されたと思しき写真はどれもノスタルジックでステキです。モデルさんはポーズやレイアウトが同じものが多く、後ろの帯姿が無いので「きものSalon」などを見慣れた目にはやや平坦に写りますが、カタログ/スタイルブック的な本、と考えればそんなもの、でしょうか。

船場といえば、「女系家族」とか「細雪」などで登場する、木綿問屋の大店があった場所です。もしかしたら、居内商店もその中の一つだったのかもしれませんね。船場センタービル、一度訪れてみたいものです。