着物の本(37) きもの文化検定問題集 2014年版
さてこちら。
ハースト婦人画報社 2014/8/1
「きもの文化検定」とは、全日本きもの振興会が主催する、毎年10月に行われるきもの文化に関する検定です。
検定ってどんなものかな…、と、ちょっと興味を持って買ってみました。この本、ほんとうに参考書のようなサイズで、シンプルな装幀。横書きでぎっしりと練習問題と2年分の過去問が載っています。
他にきもの文化検定の関連本としては「きものの基本」「きものたのしみ」という公式教本が2冊あるのですが、答えのページには、それぞれの問題のベースとなる知識が、どちらの公式教本のどこに書いてあるのか、という情報が書いてあり、ひきくらべながら学ぶことが出来そうです。
さて、実際の問題について見てみると…きものの歴史、仕立て、しきたりだけでなく、反物の織りや染め、文様、文化財の知識など、様々な切り口の問題があります。簡単な級ほど選択式が多いのですが、だんだん難しい級になると、単語を記入したり、自由記述の問題が増えてくるようです。
たとえば、伝統的な模様に関する問題について、各級から一つずつ問題をピックアップしてみますね。
5・4級…問題74- 次の4つの中から「茶屋辻」の文様を選びなさい。(4つの画像あり)
3級…問題23-きものの帯や柄として多用される「有識模様」について、誤っているものを選びなさい。
(1)平安時代の装束である十二単や束帯の模様に由来したものである。
(2)幾何学的な連続模様や、典雅な趣の模様が特徴である。
(3)正倉院の染織品や工芸品に多く見られ、インドや西アジアの影響が濃い。
(4)織りで模様を表し、代表的なものとしては浮き織や綾織があげられる。
2級…問題16-語群の中から空欄に当てはまる適当な言葉を選び、文章を完成させなさい。
「図は明代の中国より伝えられた(ア)の一つ「(イ)段子」の文様を模したもので、吉祥文様に用いられた時代があり、現代も帯の図柄として使われることが多い。」(模様の画像が1つあり)
語群:(1)正倉院文様 (2)有識文様 (3)名物裂 (4)宝相華 (5)牡丹唐草 (6)蜀江(7)笹蔓
1級…問題37-相生の松と掃除道具を携えた老夫婦、尉(じょう)・姥(うば)が描かれる文様を何といいますか、答えなさい。
皆様どこまで出来そうな感じでしたでしょうか?私は3級くらいなら少し受験勉強をしたら大丈夫そうかなぁ、という感触です。特に1級は着物を頻繁に着る人であっても、身に付かなそうな知識を元にした問題がいっぱい。ちゃんと勉強して、古典の教養も備えないと難しそうです。
おさらいコラムもついており、これ1冊でもかなり勉強になりますが、やはりちゃんと検定に備えるのでしたら、冒頭に紹介した公式教本2冊も必要そうですね。