着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(53) YUCARI vol.18 着物を着よう!(マガジンハウスムック)

さて今日はもう一冊、出たばかりのこちら。

YUCARI vol.18 着物を着よう! (マガジンハウスムック)

YUCARI vol.18 着物を着よう! (マガジンハウスムック)

2015/1/20

 

マガジンハウスの名が冠されていますが、発行は「シダックス総合研究所出版」。

広告ページもシダックスのみなので、SHIDAXのページを確認したところ、

 

シダックスグループが特別協力するカルチャー誌『“日本の大切なモノコトヒト”「YUCARI」は、毎号ひとつのテーマにしぼり、日本の魅力をお伝えしています。尚、シダックスグループが運営する施設をご利用のお客様には、通常の市販誌を抜粋した特別編集版を、無償で配布しております。(途中だいぶ略)」

 

とのことでした。なるほど、…はじめにぱらぱらっと見た時に飛行機に置いてある機内誌みたいだな、と思いましたが、まさにその通りですね。はじめの60ページ程度がこの着物の特集、後半は橋本愛のインタビューやレシピ、お店紹介など小記事が40ページくらい、となっています。

さて、着物の特集ですが…

まず、東京都国立博物館にある古い小袖の紹介。それとともに「大彦の小袖コレクション」展の開催日程がこっそり記されてたりします。

次に初心者向けの着物入門、ということで男向けの着物紹介も合わせて6ページ。

その後はいきなり米沢織、秩父太織、京都濡れ描き友禅という、「職人を訪ねて」的なページ、全国の染織を細かく紹介したページ、なんと古墳時代から始まる着物の歴史、と、そのまま教科書にでも載ってそうなページが続きます。

お勉強になるページが続くけど、ちょっと眠くなっちゃう…というところで、具体的な商品を使ってのスタイル提案となって目が覚めました。冒頭に一枚出ていた若い男女2人が再び登場し、お茶室でお茶のまねごとをしていたり、カジュアル着で散歩している、というイメージのわきやすい写真が登場します。このカップルは愛らしくて素敵です。町で見かける男の人のカジュアル着物は、和の道の人か、そうとう傾いた人しかいないイメージですが、こういう記事をデート雑誌とかにもっと載せて、みんなが「素敵!」って思ってくれたらいいのになぁ〜。

それ以降の部分については、なんだか色々細かく親切に紹介されてはいるのですが「茶室で客側もふくさを挟みっぱなしはおかしい」から始まり、「着物と帯を重ねて置いたコーデ紹介がシワっぽくて素敵に見えない」、「それに続く小物紹介も同じ店から選ばれ過ぎていて埋め草にもほどがある」「菱屋カレンブロッソのカフェ草履を草履型下駄として紹介してるのって何だか変(しかも別ページでは草履扱い)」などなど、個人的には詰めの甘さが気になりました。これ、予算少ないとそうなるって見本でしょうか。スタイリングやテキストは湊屋一子さんという方だそうです。