着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(43) 着物の時間 2 (マガジンハウスムック)

ふたたび、「永久保存版」と銘打たれた本です。

着物の時間 2 (マガジンハウスムック)

着物の時間 2 (マガジンハウスムック)

マガジンハウス 2008年11月

 

以前ご紹介した着物の時間 1から5年半後に発売されたムックです。2003年から2008年の間は、高級化しすぎて手がとどかなくなった着物を、リサイクルや普段きもので見直そう、というようなブームがひとしきりあって、落ち着いたころだったのではないかと思いますが、どうでしょうか。

前回の81人から79人に、2人だけ減っていますが、1冊目と同様、バリエーションゆたかに沢山の有名人の着姿が披露されています。織りの着物、染めの着物、夏着物、という風に分類して掲載しているのも、年代の幅が広いのも同じですね。ただし、少し若い人が多くなったように感じます。また、時代が最近に近くなった分、見知っている人も多くなっています。例えば、今もきもの雑誌でよく見かける、節子・クロソフスカ・ド・ローラさん、三田寛子さん、大久保信子さんなど。一冊目では、粋に現代感覚な着こなしを見せてくれた人に研ナオコさんがいましたが、こちらの本だとその枠は野宮真貴さんになるでしょうか。

一冊目と違い、かならず一人2ページが割り当てられる構成になったので、皆が語っている言葉も増えたのですが、「母」が出てくる回数が多いのに気づきました。全部数えてはいないですが、確実に半分以上の方は言及されていると思います。特に編集後記でも触れられている松島トモコさんの着物は、嫁入り前のお母様のために作られ、その後母と共に激動の戦禍と、火事とをくぐり抜けてそこにある、という奇跡的な着物だそう。そういった物語があると、より味わい深く、読んで見て楽しめる内容になりますね。