着物book日記

おキモノ好きが着物関係の本を問わずがたり、というblog。

着物の本(16) 天使突抜一丁目 着物と自転車と

こんにちは。

 

天使突抜一丁目―着物と自転車と

 

天使突抜一丁目―着物と自転車と

2002年12月 淡交社発行

 

淡交社といえば茶道関係の本しか出してないと思っていたので、このカジュアル着物エッセイ本をこの出版社で出しているとはちょっと驚きました。京都の出版社なので何かゆかりがあるのかもしれませんね。京都中心部にある、知ってる人は知ってる不思議な町名「天使突抜」。一丁目から四丁目まであるようですが、その一丁目に生まれた時からお住まいの通崎睦美さんのエッセイです。

表紙の写真は、ベージュに赤い更紗模様の長着に大柄小紋の羽織をひっかけ、帽子をかぶって色足袋に二枚下駄。そんな個性的な格好で頑丈そうな自転車にまたがる通崎さんです。骨董市を回ってアンティーク着物を蒐集し、ご自分でも着られているのすが、本業はマリンバ奏者だそうです。

マリンバの曲はアマゾンで視聴出来ますね。

フィアー ?ファイブ・タンゴセンセーションズより

このアップでわかるように、限りなくショートのおかっぱと大きな瞳が印象的。大正特有の、ヨーロッパのアールデコからのアヴァンギャルドバウハウスあたりのデザインに影響された小紋や帯をまとったアートでフェミニンな感じにも、Tシャツの上に少し小さめの結城紬をざっくり着て細帯をしめたボーイッシュな姿にもどちらもよく似合います。ご自分に何が似合うのか良く知っている方だと思います。

この本にはそんな通崎さんの身の回りのエッセイが書かれています。観光地ではなくて生活の地としての描かれる京都は新鮮です。東京でいえば銀座近くの新富町あたりで育ったチャキチャキ江戸っ子みたいなイメージでしょうか?「お餅やさん」と「おまんやさん」と「菓子司」の違いなど、たぶん京都の人以外は知らない常識が一杯で面白いです。着物に絡んでお知り合いやお友達の話も沢山。この身の回り感はなんとなく 「神戸在住

神戸在住(1) (アフタヌーンKC)

神戸在住(1) (アフタヌーンKC)

 

 という漫画にも似たものを感じます。京都に行って、普段着の飾らない、でも京都らしい京都をもっと見たくなります。